宮廷料理とは14世紀末から約500年続いた朝鮮王朝時代に体系化されたもの。 | |
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最近、「チャングムの誓い」というドラマの大ヒットで宮廷料理が再び注目を浴びていますが、宮廷料理の歴史は、14世紀末から約500年続いた朝鮮王朝時代に体系化された。 |
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宮廷料理の根本は、中国から伝わった「医食同源」の思想をさらに極め、「薬食同源」つまり食べることは医であるという思想で、高めた韓国の食習慣が最も現れている。だから、食べることに関するこだわりはただ事ではない。 韓国では一般的にも食と健康が切り離せないものだということを誰もが意識している。長い歴史が育てた、大切な食に関する貴重なこだわりといえる。その考えがもっとも色濃く反映されているのが、宮廷料理や韓定食である。 | |
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韓国の食の基本にあるのは、古代中国の陰陽五行説。これは陰と陽の食材をバランスよく組み合わせ、五味五色のものを食べることで健康が保たれると言う考え方。 | |
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料理のいろどりは、赤、青(緑)、黄、白、黒の五色(五方色と呼ばれる)が基本。 中国斉国の鄒衍(すうえん)の五行説から来るもので、五つの惑星、つまり水星(黒)金星(白)地球(黄)火星(赤)木星(青)を表す。たいてい赤色には唐辛子や棗、緑色にはセリ、万能ねぎ、カボチャ、キュウリ。黄色と白色はそれぞれ卵黄と卵白で、黒色には椎茸や海苔が用いられています。 | |
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辛い、甘い、酸味、塩味、苦いの五味と成り、五行の原理が通じている。水は土地を潤おし、穀物を養い、集まって川となって流れ、海に入って鹹(かん:塩)となる。 火は上に燃えあがり、焦げて苦くなる。木は曲ったものも真直ぐなものもあり、その実は酸ぱい。金は形を変えて刀や鍬となり、味は辛い。 土は種を実らせ、その実は甘い」( 五行説の元祖、中国夏王朝禹(う)の考え方とされる)五行説を料理の味と色彩に応用してあるところは、韓国独創的な食文化といえる。 |
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赤と黒を使うことによって陽と陰の調和を図り、そこに黄色と青(緑)色、白色をバランスよく配色することで、宇宙の摂理が表現されている。 | |
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朝鮮半島では近親結婚が堅く禁じられていったので、王族と民間の食文化が自然に融合されていったことも特徴。 一般家庭料理にも五味五色がしばしば見受けられる。 ここでは政治を離れ、 腸(青)、肺(赤)、心臓(黄)、肝(白)、膵(黒)の調和を考えながら、さらに 仁(青)、礼(赤)、信(黄)、義(白)、志(黒)の儒教の五徳目と宇宙との一体化を図っているといわれている。 | |
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かつての大陸からの文化を流れ受け、これを消化し、韓国独自に応用した韓国の伝統料理。 奥深いそのこころを知って一口一口味わえば数倍おいしく、体にもいいはず。 | |