新羅の文化遺産が展示された慶州の国立慶州博物館
慶州は新羅の都とも呼ばれ多くの文化遺産が残る場所です。2万余坪の敷地を誇る国立慶州博物館は新羅時代の遺産を見ることのできる博物館でもあり約3000点の文化財を公開しています。展示館は本館の考古館、美術館、雁鴨地館、特別展示館、子供博物館があり、野外にも展示館があります。本館では古墳公園の天馬塚から出土した金冠や冠飾、帯はとても美しく煌びやかで目を見張らせます。その他、雁鴨池から掘り出された舟と金銅板三尊仏、美術館の薬師如来像と仏舎利荘厳具、人面瓦当も必見。敷地内は大きく4つのエリアの展示館に分けられますが、1つ1つの展示館を見て回っては1日では足りないほどです。ですが、国立慶州博物館なしでは慶州の歴史を語る事はできない場所でもあります。
新羅時代の歴史を伺える4つの展示館
1945年に国立博物館として開館し、約90年の歴史を誇る国立慶州博物館。本館に加えて第1別館、第2別館、野外展示館と大きく4つのエリアに分かれます。本館は考古館、第1別館は美術館、第2別館は雁鴨池館となっています。先史時代から朝鮮時代に到る遺物が各展示館テーマごとに公開されています。
本館の考古館
こちらは時代別に見やすい4つの部屋に分かれており、慶州で出土されたさまざまな土器や美術工芸品を見ることができます。特に、
新羅室Ⅰの金冠の美しい装飾は必見です。また、故菊隠李養璿博士が収集した
騎馬人物形土器(国宝第275号)や
黒漆鐙子(宝物第1151号)も考え古館に展示されています。これらの文化財を通して新羅時代の優れた芸術性が伺えます。
美術館
以前は本館にありましたが、2002年に第1別館として移されました。新羅時代の
仏教美術品を展示しており、仏教彫刻品から文字資料の金石文、皇龍寺址から出土された仏舎利具、地鎮具、瓦など様々な遺物が公開されています。
左側が雁鴨池館雁鴨池から出土された3万点余りうち、約700点の遺物が展示されています。主に
生活用品を中心に土器、建築材、文字関連遺物、金属工芸品、仏教彫刻品がテーマ別に展示されています。新羅時代の宮中生活の様子を知ることができます。
「エミレの鐘」と呼ばれる聖徳大王神鐘は悲しい伝説が流れていることでも有名です。鐘を鋳造した際、音が響かない為に幼い女の子を銅の中へ捧げました。出来上がった鐘は美しい音色を響かせましたが、その音は「エミレー、エミレー(お母さん)」と叫ぶ子供の音のようだったと言われています。