夢と現実を繋いでくれる韓国映画製作のメッカ 『南楊州総合撮影所』
1997年 韓国を襲った通貨危機を背景に、時の金大中大統領が"BUY KOREA"という
映画を含めた文化全般を産業として育成する方針を打ち出した。
1999年の「シュリ」の大ヒット以来韓国映画ブームが続いている。その最もホットな韓
国映画制作の現場である南楊州総合撮影所(ソウル総合撮影所)は周囲を山に囲ま
れた、漢江に沿って40分ほど車で走ったところにある、豊かな水の流れを見ながらの
ドライブコース。
アジア最大規模という40万坪の敷地。
アジア最大規模という40万坪の敷地。野外撮影スタジオとして多額の制作費を投入して本物と寸分たがわずに作られたという「JSA」の撮影に使われた板門店セットを始め、民族村セット、伝統家屋セットが、また屋内撮影スタジオや衣装小道具、撮影機材まで見ることが出来ます。
上から下までぎっしりと詰まった衣装/小道具専用倉庫には映画「ブラザーフッド」に使われた軍服やヘルメット、銃、「シルミド」で隊員が持ち続けていた母親の写真などをはじめ、家具や扇風機、ラジオ、時計、玩具といった家庭雑貨も、年代物から最新式のものまでいろいろ納められており、韓国映画制作の現場スタッフになったような気分を味わえます。
ミニチュアや特殊映像の紹介、撮影トリック技術、世界と韓国映画の歴史を紹介するコーナーもあり、 韓国映画のファンならずとも、普段何気なく接しているエンターテイメントの裏側を垣間見ることが出来る
南楊州総合撮影所。
韓国政府が映画支援に当てる予算は年間100億円!
韓国は1997年の通貨危機を背景に"BUY KOREA" という政策を打ち出し国を挙げて映画産業を支援しています。若手育成にも力を入れており、映画監督の士官学校といわれている映画振興委員会付属の映画学校「韓国映画アカデミー」では実践的なワークショップに重きを置いた2年間のプログラムが組まれ、学生の授業料から実習のための機材費用まで全て国の資金で賄われています。
これまでに「殺人の追憶」のホ・ジュノ、「スキャンダル」のイ・ジェヨンなど現在の韓国映画界を支える監督を数多く輩出。ちなみに冬ソナの脚本を手がけた二人もここのシナリオ科卒業です。
個性豊かな若手が映画を作り、それらが大ヒットしたことにより、資金調達も以前に較べてベンチャー企業、投資ファンド、地域の資金など多様化し、旺盛な民間の投資意欲も韓流パワーを下支えました。
韓国国内の映画館に、年間一定日数以上の韓国映画上映を義務づけるなど韓国国内映画産業保護策も功を奏しました。「韓流」がどこまで日本文化に攻め入ってくるか、期待するところです。
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