こちらメインの大きな建物は朝鮮時代の世宗王時代の学者の一人、パク・ペンニョンの私邸でした。日本植民地時代には総督府の政務総監の官邸として使われ、韓国政府樹立後には迎賓館として利用されました。その後1980年に改築工事を行った末、翌1981年に『コリアハウス』として開館。ソウル最大の古宮である“景福宮”の慈慶殿をモデルに、韓国重要無形文化財の宮大工である申応寺(シン・ウンス)が手がけたものです。
海隣館(해린관)入口入ってすぐ正面にある建物がこちら“海隣館”。
「世界の人が親しく交流する家」という意味で名前が付けられました。中は広いロビーになっていて、右側に案内カウンター、左側には休憩スペースと公演用の劇場があります。案内カウンターでは、各案内のパンフレット、又日本語や中国語、英語などのパンフレットが置いてあります。日本語スタッフもいるので安心ですね。そして、案内カウンターからさらに右奥に入っていくと、舎廊である韶華堂(소화당)があり、この韶華堂は桜閣形式の環碧楼(환벽루)と繋がっています。『コリアハウス』は、この“海隣館”を中心として周りに部屋が連なっています。
韶華堂(소화당)・環碧楼(환벽루)“海隣館(해린관)”から繋がっている“韶華堂(소화당)”と“環碧楼(환벽루)”。“環碧楼”の足元には池があり、水中楼閣という造りになっています。外観の特殊な曲線は、素敵な曲線美を魅せていて、人々を魅了し、龍が彫刻してある池の中には、フナや鯉たちが遊泳していて、上から垂れる枝も手伝い、とても趣きのある姿を見せてくれます。ここから360度見渡すと、韓国に来たという実感が湧いてくると思いますよ。室内は韓国式ビュッフェ等、食事が可能で、韓国の伝統料理が思う存分楽しめます。
嘉楽堂(가락당)“海隣館”を突っ切って外に出て、左側にある逆L字型の建物が“嘉楽堂(가락당)”です。“嘉楽堂”とは
美しい音楽が溢れている家という意味。中は
“蓬萊室”“方丈室”“瀛州室”とあり、個人や団体のお客さんの食事場となっています。三ヶ所全て韓国式の座敷に座り食事できる様になっていて、冬もオンドル(韓国式床暖房)で暖かく、韓国文化を肌で感じられます。これら
3つの部屋で食事をすると、不老長生すると言われていて、老若男女に人気の食事場となっていますよ。
蓬萊室
方丈室
瀛州室
聞香楼(문향루)ここ“聞香楼(문향루)”は今までの“海隣館”から繋がった建物とは違い、少し離れた場所に位置。“環碧楼”の池横から繋がっている石段を登り、様々な木々の中、ひっそりとたたずんでいます。名前は漢字の通り、
香りを聞く楼閣という意味で、建物の門が全て開く造りになっていて、門を持ち上げれば花や木などの自然の中に座っている様に感じられる開放型建築になっています。四季折々の自然の香りが楽しめる風情ある場所ですよ。中央の“聞香楼”の扁額は有名書道家であるキム・ギスンが書いたそうです。ここでは、家族同士の食事や、親密なお友達の集まりなどを行える場所となっています。
聴雨亭(청우정)・録吟亭(녹음정)先程の“聞香楼”のとなりに位置しているのが、こちら“聴雨亭(청우정)”“録吟亭(녹음정)”。“聴雨亭”は八角形の亭閣で、廊下から“録吟亭”と繋がっています。八角形の“聴雨亭”は高い礎石のうえに建てられた楼閣のような家で、外は低いベランダのような縁側と手すりになっています。外からも直接入れるように、石段がかけられていて、下から亭閣を眺めると、なんともいえない迫力がありますよ。室内は円座できるようになっていて、10人余りの人が会合をしたり、食事しながら談笑できるようになっています。名前は、
林の中に雨が降り、全ての騒音が遮断された空間にただ雨の音だけ聞こえる静かな亭閣という意味で付けられたそうです。それと一転し“録吟亭”は素朴な家の様な感じ。正面3間、側面3間の部屋があり、こちらでも食事が楽しめます。