“南部市場式コンナムルクッパ”の元祖・三百屋
全羅北道全州は韓国内で一番食べ物がおいしい所として知られていますが、特に“ビピンバッ”・“韓定食”・“コンナムルクッパ”・“マッコリ”などが有名です。その中で『三百屋』はおいしい“コンナムル(豆もやし)クッパ”を食べさせてくれるお店、そして全州で一番古いコンナムルクッパ屋さんとして知られています。全州には大きく分けて二種類の“コンナムルクッパ”があります。ひとつは“南部市場式コンナムルクッパ”で、これは沸騰させずにご飯を熱いスープに入れて混ぜて食べる方法で、もうひとつは『三百屋』が元祖となっている“三百屋式コンナムルクッパ”です。こちらは土焼きの器にスープとご飯を入れたところに豆もやしと卵を添えて、アツアツに沸騰させて提供してくれるのが“三百屋式コンナムルクッパ”です。今回は全州で一番古くから営んでいる『三百屋』をご紹介しましょう。
全羅北道全州市の中央に位置
『三百屋(サンべッチッ)』は、ソウルから約200km南に行った全羅北道(チョンラプッド)全州市(チョンジュシ)の中央に位置しています。全州観光ホテルとは目と鼻の先にあり、また全州で有名な
“全州韓屋(チョンジュハノッ)マウル”、朝鮮王朝の創始者・太祖(テチョ)の肖像が飾られている
“慶基殿(キョンギジョン)”、アジア三大聖堂の
“殿洞聖堂(チョンドンソンダン)”、韓国ドラマ
“成均館スキャンダル”の撮影現場となった“全州郷校(チョンジュヒャンキョ)”なども近くに位置しています。ソウルから『三百屋』へは、高速バスターミナルから全州行きの市外バスに乗り3時間、全州に到着すれば長い距離ではないので、後はタクシーで移動するのをお勧めします。
少人数から団体まで対応
『三百屋』の入口に入ると左に座敷席、右側がテーブル席となっていて、また奥には90名ほど入られる座敷があるので、団体旅行にも十分対応が可能です。また、ここ『三百屋』は24時間営業となっていますので、深夜にはお酒を飲んだあとのシメのお客さんが来たり、朝にはへジャン(二日酔いを治すこと)をするために訪れるお客さんなど様々です。もちろん昼食や夕食で訪れる人も多く24時間人の出入りのあるお店です。
地下250mの水で育てられた豆もやしを使用
『三百屋』のコンナムル(豆もやし)は、
地下250mのきれいな地下水で育て、
無農薬農産物としても認証を受けている
国産100%のものだけを使用しています。また
全州の豆もやしは全国の中でも最高とされていますが、それは気候と水質が豆もやしの栽培するのに適していたためと言われています。
『三百屋』の名前の由来
『三百屋』の名前の由来は、
1946年頃に“イ・ボンスン”と言うおばあさんが、看板もない名前もない5坪余りのへジャングッのお店を現在の位置で始めました。その後、看板もない名前もない安物のヘジャングッのお店は、、
多くのお客さんが集まる全州の名所となりました。しかし“イ・ボンスン”おばあさんは、どんなに多くのお客さんが訪ねてきても三百食以上は売らなかったそうです。
三百食が売れれば午前といっても店を閉めたので、いつからかお客さんたちが『三百屋』と呼ぶようになったのです。
三百食というのは、おばあさんが一日のうち精魂こめて作ることが出来た量だったのです。そんな『三百屋』のコンナムルクッパッは、土焼きの器に大根、昆布、煮干、エボヤで取ったスープとご飯を入れたところに豆もやしと卵を添えて、その上に2~3ヶ月経ったキムチを小さく刻んだものをのせ、アツアツに沸騰させたものをいただきます。味が薄ければアミエビの塩辛で調節すれば、また一味違った味が楽しめるでしょう。
『三百屋』の母酒
昔、酒豪の息子の体を心配した母親が体に良い韓方薬材をマッコリ入れて沸かして作ったのが母酒の始まりです。母酒には
生姜、
ナツメ、
甘草、
高麗人参、
葛、
シナモンが入っていて、その上『三百屋』の母酒はアルコール成分がほとんど無いために、現在はお酒として認識されるよりも
食後や食前に飲む健康飲料として、とても人気があります。『三百屋』の母酒は現在、シッケや水正果(スジョンクァ)のように
韓国伝統飲料中のひとつになっています。
是非本場のコンナムルクッパッを・・・
『三百屋』のご主人『三百屋』いかがでしたか?全州に行ったら
ピビンバッも外せないけど、
コンナムルクッパッもやはり外せない一品ですよね*^^*全州に行ったら是非本場のコンナムルクッパッを召し上がってみてくださいね。また、隣には同系列の
『ナッチャカンスリッパ(ぺちゃんこのスリッパ)』というかわいいカフェがあり、パソコンも置いてあるので、食後のコーヒーを飲みながら次に行くところを、調べてみるのもいいですね。