大韓民国最北端の統一展望台 『統一展望台 & 臨津閣』
一般の韓国人や外国人が許可無しで北朝鮮を望めたり、歩いていける最北の地ソウ
ル中心から車でわずか1時間という距離。ここに来ると目に見えない戦いが見える。
スパイ潜入防止のために漢江沿いに張りめぐらされている鉄条網、銃を持つ「無」表情
の警備軍人、道路を寸断できるようにダイナマイトが設置されているというゲート。一
見
平和そうに見えた韓国が一瞬にして“世界唯一の分断国家という現実”を我々に見せ
付ける。
分断国家、そんな厳しい現実を目近に感じられるのはここ!
統一展望台は、北朝鮮から流れてくる臨津江(イムジンガン)と韓国の漢江が合流し、黄海(西海)へと流れゆく所に位置する。
臨津江の川幅は広いところで3.2km、狭いところで460m。本当にすぐそこが北朝鮮といった感じだ。
天井から吊るされたディスプレイに映されるビデオ解説を見ながら(日/中/英語)ピカピカに磨かれたパノラマのガラス張りの展望室で、臨津江の向こうに広がる北朝鮮の開豊(ケプン)郡の農村地帯を眺める。集合住宅用らしい建物、農業用の倉庫のようなもの、畑、背後に広がる山々・・・。
まだまだ未知の国である北朝鮮の村や人々が生々しく見える分断の現場である。
肉眼でもはっきりと見える家々は、この統一展望台が出来て間もなく建設されたもので、住宅事情が良い近代国家である事をアピールする為のプロパガンダであると、こと細かくビデオで紹介される。
北朝鮮にむけられたいくつもの有料双眼鏡で向こう側を見ることもできる。
南北首脳会談以前は北からの宣伝放送も南からのものもよく聞こえていたようだが、今はただ静かに、美しい風景が広がっているのみだ。
さらにこの展望台には、北朝鮮の現実を知ってもらうため、北朝鮮の小学校の教室と中間階級の部屋が有りのままに再現された展示場や北朝鮮が生産した数々の品物、コンピューターを利用した北朝鮮情報の休憩室も設置されている。
そして、地下一階には朝鮮開城(ケソン)市名産の高麗人参酒、北朝鮮の切手、工芸品などのお土産も買える売店があるので、板門店やDMZツアーとはちょっと違う雰囲気を味わうことができる。
統一展望台から20分程度のところにある臨津閣(イムジンカク)にも足を伸ばそう
同時にここ臨津閣(イムジンカク)は、一般の韓国人が無許可で行くことのできる「北朝鮮を最も近くで見ることのできる」数少ない場所の一つでもある。
韓国戦争が終わってから50年以上たったが、南北の行き来は許されていない。 北に家族がいるが訪問できないばかりか、連絡手段すら存在しない。
500万人とも800万人とも一千万人ともいわれる離散家族が、今となっては生存しているか否かも分からない親や兄弟、親戚達を思いながら、本来なら一緒に過ごすであろう祭事やお盆、正月などには、ここ 臨津閣(イムジンガク)に集まり偲んだりしに来る地でもある。「望拝壇」 の碑が悲しくそびえたつ。
民族分断の悲痛を肌で感じ、あれこれ考えてもらえれば・・・
さっき来た道と同じ道をソウルに向けて戻る。
川面は太陽の光が反射してキラキラ輝く。 冬には渡り鳥が飛来するという。 自然は南も北も区別することなく美しい。
「おいしい」「安い」「きれい」だけでなく、平和について考えたり、 南北統一といった一定の緊張状態を常に含む厳しさを担った韓国社会の一面にも目を向けてみる時間が、旅行中の日程にあってもいいのでは。