水原華城を築き上げた王が眠る墓。韓国の世界文化遺産、隆健陵(ユンゴンルン)
水原華城から少し離れた場所にある隆健陵(ユンゴンルン)は王の墓で水原華城を築城した朝鮮王朝22代正祖大王と孝懿王后のお墓「健陵(ゴンルン)」、そして彼の親である思悼世子と惠慶宮洪氏のお墓こと「隆陵(ユンルン)」があります。隆陵と健陵は合葬陵のことで、『隆健陵(ユンゴンルン)』と言います。隆健陵は史跡第206号として指定された文化財でもあり、2009年6月にユネスコ世界文化遺産にも登録されました。米櫃に閉じ込められ死を迎えた思悼王世子のお墓に親孝行だった正祖が亡くなった後に父の隣の墓に埋められたと伝えられています。
「隆陵(ユンルン)」
隆陵の入口入口から入って進むと道が二つに分かれています。
右に進むと「隆陵(ユンルン)」、左に進むと「健陵(ゴンルン)」 です。
正祖大王の父である思悼世子(サドセザ)の墓はここの山勢が険しく風水的観点から良くないと方向が変わっており、霊魂が出入りする紅門、祭祠するための丁字閣、お墓である王稜の順に並んでいます 。
丁字閣
今でも祭礼が行われている丁字閣です。朝鮮時代の建築物の細かさなどが伝わってきます。また,建物は上から見るとT字型になっています。
丁字閣前には祭礼時に使われる米櫃(米を貯蔵する木の箱)が展示されています。英祖に憎みを買われた思悼世子は無実の罪に着せられこの米櫃の中に閉じ込められ亡くなりました。
もともと思悼世子の墓は京機道楊州(ソウル東大門区)にありましたが、正祖の即位後風水的に優れているため水原に移されました。
丁字閣前
丁字閣の内部
王稜
「健陵(ゴンルン)」
健陵の入口左写真は思悼世子の息子、正祖(イサン)大王と孝懿王后が眠る墓の健陵。
父思悼世子の悲劇の死からいつも父を偲んでいたそうです。そんな思いを知る人々は正祖大王が亡くなった後、いつでも思悼世子に会えるようにと隣に健陵を設けました。
丁字閣健陵は丁字閣とは違い紅門、丁字閣、王稜が一直線に並んでいます。こちらには丁字閣の前には米櫃はありません。
水原華城を築いた正祖大王であり、朝鮮時代後期の文化を作り上げました。水原華城から隆健陵までは車で30分~40分ほどの距離にあります。
丁字閣の内部
王稜前
王陵の前は魂霊が安らかに眠れるようになっている
見学をしながら自然の中で休憩も
隆陵から健陵までの距離にはクヌギの木が植えられています。天気の良い日は散歩コースにもなり家族連れの方やカップルの方がこちらでご飯を食べたり休息の場として使われていますよ。